幻の憧憬

永遠に枯れない花
常に実がなる木の枝
さえずる鳥は死を知らず
風はそよぐ 万年は春
泉は淀みなく溢れ
続く川は魚の群れをなし
何処ともなく大海へ流る
静かな木漏れ日 人害なく
ただ自然の気高さのみある
日は傾き二三羽と去る夕暮れ
かすみ 月の出来
欠けたるが趣 されど
満ちる面あやしげに
手に届きそうでいる
王子の住むという星の
無限の一つが尾を垂らして
降り来る 仰げばまたとなし
夢の淵 おしどりが羽を交わす
枯渇なき憧憬

2003年06月19日(木)投稿




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